はじめに:結婚とお金、どう向き合う?
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先生こんにちは!
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やあアカネさんこんにちは。
今日はどうしたんだい? -
最近周りで結婚報告を聞くことが多いの。
私も20代半ばになって結婚願望はあるけれど、いろいろと不安もあって…。 -
なるほど、結婚の悩みだね。
実はアカネさんのように「結婚はしたいけれど、お金のことを考えると心配でなかなか踏み出せない」という声はよく耳にするんだよ。 -
やっぱり…そうなんですね!
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物価の上昇や先行きが見えにくい経済状況、共働きでも家計が厳しいというニュース。
SNSでは「理想の暮らし」があふれていて、つい現実とのギャップに落ち込むこともあるよね。 -
でも、知っておいてほしいのは「お金の不安」は、情報不足や計画の不明確さから生まれることが多いということ。
現状を数字で把握し、将来の見通し、自分たちのペースで計画を立てれば、「思ったよりやっていけそう」と感じられるケースも少なくないんだよ。 -
確かに!
実際の結婚生活にどれくらいのお金がかかるのか、貯金がいくら必要かなんて具体的に考えたことはないかも…! -
お金の不安は「整理すれば軽くなる」もの。
結婚は必ずしも「お金が減るイベント」ではなくて、むしろ、二人で暮らすことによって家賃や光熱費などの支出が効率化して、貯蓄や投資に回す余裕が増え、将来の選択肢が広がることもあるんだよ! -
それなら私も早速整理してみたい!
でも、いきなりはやっぱり難しいかな…。 -
では今回はある夫婦をモデルケースに、結婚後の家計のリアルと、アカネさんも今日から実践できるお金の工夫を教えるね。
モデルケース:夫25歳・妻25歳
年収はそれぞれ300万円、300万円
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今回の想定はイメージしやすいよう、次のような共働きの夫婦。
●夫:25歳、会社員、年収300万円(手取り約240万円)
●妻:25歳、会社員、年収300万円(手取り約240万円)
●世帯年収は合計600万円。
手取りはおよそ480万円程度で、日本の20代の中では平均的な水準だよ。 -
うんうん、これなら生活費や貯蓄のイメージがしやすいかも!
まずは「ふたり暮らし」の基本設計を
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実際、結婚すると毎月どれくらいの生活費がかかるんですか?
なんとなく「二人だと倍になる」イメージがあるけれど…。 -
うん、良い視点だね。
多くの方が最初に直面するのが「毎月の生活費はいくら必要か」という疑問。
では、賃貸で暮らす場合の生活費の一例を見てみよう。
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合計で30万円程度だね。
共働きで手取り40万円ほどあれば、約10万円は貯蓄や投資に回せる。
つまり「結婚=生活が苦しくなる」とは限らないんだよ。 -
へぇ、意外と貯金できるんですね!
結婚したらもっと生活費はふくらむと思っていました!
むしろ一人で貯金するよりも余裕ができるかも! -
結婚前の状況にもよるけれど、もちろんそういった場合もあるね。
ただし、この内訳は二人の価値観次第。
そして、自動車ローンや奨学金の返還などがあれば、支出も異なってくる。
だからこそ、支出の優先順位を話し合ってすり合わせるのが大切なんだ。
ライフイベントを二人で話して、
ライフプラン表を作成しよう
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生活費のイメージはなんとなく分かったけど…結婚って、その先にお金がかかるイベントがいっぱいあるんですよね?
その辺を想像すると正直不安になります。 -
うんうん、不安になるのは当然だよ。将来の支出って見えにくいからね。
だからこそ、結婚生活のスタートは二人の価値観や優先順位をすり合わせる絶好のタイミング。 -
例えば──
「いつ頃子どもが欲しいか」
「住宅は賃貸か購入か」
「旅行は年何回行きたいか」
…など、具体的な希望をお互いに共有しておくことが大事なんだよ。 -
なるほどー…。
でもこういう話ってつい「また今度でいいか」って後回しにしちゃいそう。 -
そうだね。
でも、言いっぱなしで終わらせずに「ライフプラン表」として形に残すと、将来がぐっと見えやすくなるんだ。
ライフプラン表っていうのは、年ごとの年齢・収入・支出・予定イベントを一覧化して、将来の教育費や住宅購入、車の買い替えといった大きな支出の時期を明確にするもの。
将来の家計の流れ(キャッシュフロー)が見渡せるようになるよ。 -
へぇ、ライフプラン表か~!
これはなにか特別なアプリで作るの? -
難しいものじゃなくても大丈夫。
エクセルやGoogleスプレッドシートでもいいし、無料のシミュレーションソフトやFP相談を使ってもいい。
最近はAIに相談しながら作る人もいるよ。 -
二人で同じ表を見ながら、「この時期は節約が必要かな」「ここで貯蓄を増やそう」「これぐらいは投資に回した方がいいかな」みたいな会話ができると、「未来の作戦会議」って感じがして楽しそう!
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そうそう!
楽しみながら作れるとよいね。
それから大事なのは、一度作って終わりじゃなくて、出産や転職、引っ越しといったライフステージの変化があったとき、もしくは、その前に見直すこと。
二人の未来予想図として、家計の安心の土台として、早い段階で作っておくことがおすすめだよ! -
では、アカネさん、今回はここまで。
次回は、貯蓄と将来への備えについて説明するよ。
よいかな。 -
もちろん!貯蓄の話は気になります!

ライフスタイルプラス代表
ファイナンシャルプランナー
福田 智司(ふくだ・ともじ)氏
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 AFP、ファイナンシャルプランニング技能士 2級、証券外務員2種、投資診断士
自動車ディーラーで営業、生命保険会社営業、総合保険代理店営業を経て、現在ライフスタイルプラスとして独立。FPとしての相談業務のほか、各種セミナーの講演、企業型確定拠出年金の導入サポートを中心に行っている。ホームページでは新NISAや相続、投資などお金にまつわる様々な分野の情報をコラムにて発信している。