家計管理はシンプルに。「増やす」よりも
「続ける」ことが大切!
貯蓄・将来への備えはこう考える
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アカネさんこんにちは。
前回は、ふたりの基本設計と、ライフプラン表について話したね。 -
こんにちは!
うんうん、生活費のイメージとライフプランを計画することが大切ということはなんとなく理解しました!
でも肝心の将来のことや老後のことについての不安は、解消しきれていないかも…。 -
アカネさんが不安になっているのは結婚してすぐの時期だけではなくて、その数年後や将来のこともあったね。
具体的にどんなところに大きな支出があるかはまた説明するから、まずは不安に対して“備える”ことから考えてみよう。 -
不安に対して“備える”…!
それって金額でいうとだいたいどのくらい? -
そうだね、前回のモデルでいくと、手取り月収が約40万円あれば、生活費30万円を使っても、月10万円を貯蓄や投資に回す余力があったよね。
そこで一例として、少しゆとりを持たせて、手取りの20%(8万円)を貯蓄、投資に回すことを考えてみよう。 -
20%かぁ。月によってバラつきはあるかもしれないけどなんとか続けられそうな気がする!
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さらに、そのお金を目的別に分けて貯金・積み立てすると管理しやすくて、続けやすいんだ。具体例はこんなイメージだよ。
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もし奨学金の返還があっても、計画的に支出をコントロールすれば8万円×12か月で年間100万円近い貯蓄が十分可能だよ。
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こんにちは!
「ただお金が増えればいい」じゃなくて、「何のための貯蓄か、投資か」が決まっているとやる気が出る! -
まさにその通り。大事なのは「目的を持った貯蓄・投資」なんだ。
もちろん「増やすこと」も大切だけれど、まずは「続けられること」が最優先。小さくても習慣にすることが、将来の安心につながるよ
家計管理の「50-30-20ルール」でシンプルに
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ライフプラン表を作って、貯蓄の目的を明らかにして…、いざ家計を管理!
しようと思ったけど、毎日レシートをチェックして、記録してってなると、そのことがプレッシャーになるし、正直細かく家計簿をつけるのは苦手。。。 -
その気持ちはすごく分かるよ。
若いうちはそんなに気を遣ってられないしね。
そこでおすすめなのが「50-30-20ルール」。 -
50-30-20ルール……?
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そう。
家計の支出を大きく次の3つに分ける考え方だよ。
50%:生活必需品(NEEDS)
家賃、食費、水道光熱費、通信費、保険料、奨学金返還など、生活に必要な支出。
30%:自由支出(WANTS)
趣味、交際費、旅行、外食など、生活、人生を豊かにする支出。
20%:貯蓄・投資(SAVE)
定期預金、NISA、iDeCoなど、将来に向けた貯蓄や投資。
このルールの良いところは、「何にいくら使っているか」よりも「家計バランスの大きな割合」を見ればOKという点。 -
なるほどー!
「生活に必要なお金」と、「楽しみのお金」と「貯めるお金」を大ざっぱに分けるんですね。 -
そう。
奨学金返還は生活必需品(NEEDS)に含める。
もし、その影響で50%を超える場合は、自由支出(WANTS)を見直すことで調整しよう。
だけれど、20%の貯蓄枠は確保しておこう。
そのケースだと、55-25-20という比率でバランスをとることになるね。
<家計簿のコツ>
●家計簿アプリの活用
スマホの家計簿アプリを使えば、銀行口座やクレジットカードと連動して自動で記録することができます。グラフ表示で支出割合も見ることができるので、50ー30ー20のバランス確認も簡単です。
●家計簿なしでも大丈夫
記録が苦手な場合は、貯蓄分を別口座に移してしまう「先取り貯蓄」だけでも効果的です。残りを生活費口座、自由支出口座に分けてしまえば、50ー30ー20の枠に収まりますし、使い切っても大丈夫という安心感があります。
収入が入ったら使う前にまず分ける方法です。
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20%必ず貯蓄しようと思うと負担になっちゃうから、そもそも「毎月必ず貯蓄を確保する仕組み」を作ることが大切だね。
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そうだね、気合や根性で貯蓄したり、毎月残った分を貯蓄するのでは、なかなか貯まらない。
仕組みを整えてストレスフリーでいこう!
そうすると、細かい管理が苦手だったり、忙しい二人でも、無理なく家計管理を続けていけるはずだよ。 -
よし、今回はここまで。
次回はいよいよ将来の支出について見ていこう。 -
はい。
今回もありがとうございました!
支出か~。あまり聞きたくけど…とても大切なことですね。
ぜひお願いします!

ライフスタイルプラス代表
ファイナンシャルプランナー
福田 智司(ふくだ・ともじ)氏
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 AFP、ファイナンシャルプランニング技能士 2級、証券外務員2種、投資診断士
自動車ディーラーで営業、生命保険会社営業、総合保険代理店営業を経て、現在ライフスタイルプラスとして独立。FPとしての相談業務のほか、各種セミナーの講演、企業型確定拠出年金の導入サポートを中心に行っている。ホームページでは新NISAや相続、投資などお金にまつわる様々な分野の情報をコラムにて発信している。