計画と準備、さまざまな支援活用で
「経済的な安心」を目指そう。
三大支出を見越して、
安心して結婚生活を始めるために
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いよいよ今回は支出について説明するよ。
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お願いします!
けれども、これから先の“ドンと来る支出”——例えば、教育とか住宅とか——正直まだ不安です。
どこから手をつければいいのだろう。 -
その気持ちは自然なことだよ。
結婚すると、これからの暮らしにたくさんの楽しみが増える一方で、「お金は大丈夫かな…」という不安はつきもの。
そんな中でも家計に大きな影響を与えるのが『三大支出』と呼ばれるものだよ。 -
三大支出…!
言葉だけは聞いたことがある! -
そう、ずばり教育資金、住宅資金、老後資金。
これらはどれもまとまった金額が必要で、期間も長く続くため、最初から意識して準備を始めることが、安心して暮らすコツになるよ。 -
なるほど…。
聞くだけでプレッシャーが…。
それぞれ、どれくらいかかるものなの!? -
そうだね。一つずつ説明しよう。
まずは教育資金。
子ども一人を大学まで育てるには、公立中心で約1,000万円、私立を含めると2,000万円以上になることもある。
特に大学進学の時期は、年間100万円以上の支出が数年続くため、このピークに備えることが大切なんだ。
児童手当やボーナスの一部を教育用に積み立てるなど、日常の家計とは別に準備しておくと安心だね。 -
わぁ結構な金額だ。。
少しずつ積み立てを見据えておかないと…。 -
そう、それから住宅資金。
マイホームは人生で一番大きな買い物になることが多いよ。
いわゆる住宅ローンで購入し、長期にわたって返済していくんだ。
だから教育費がかさむ時期と重ならないよう計画することがポイント。 -
例えば、子どもが大学に進学する頃に家計が苦しくならないよう、返済額を抑えたり、期間を調整したりといった工夫が必要だね。
繰上返済や金利の見直しも、家計の負担を軽くする手段になる。
まずは、そもそも住宅を購入するのか、それとも賃貸にするのかを検討した方がよいね。 -
教育費と住宅ローンのバランスを考えないといけないんですね。
なかなか大変! -
最後に老後資金。
まだ先のことのように感じるけど、必要な額は夫婦で2,000万円から3,000万円といわれているよ。
老後資金は「後で準備しよう」と思っていると、あっという間に時間が過ぎてしまうから、iDeCoやNISAといった制度を活用するのがおすすめ。
積み立て投資を早いうちに少額からでも始めておくと、時間を味方につけることができるんだ。 -
時間を味方につける。これは若いうちの特権ですね!
すぐに実践しないと。 -
そしてこの三大支出は、別々のものに見えて、実は互いに影響し合っているんだ。
教育費にお金をかけすぎれば老後資金が足りなくなったり、住宅ローンの返済が重ければ教育費や貯蓄が思うようにできなくなったりする。 -
だからこそ、結婚したら早い段階でライフプラン表をつくり、これからの収入・支出・貯蓄の見通しを「見える化」しておくことが大切なんだ。
年に一度、夫婦で見直しをする習慣を持つと、将来への不安もぐっと減るはずだよ。 -
なるほど…!
「大きな支出があるから不安」「今はお金がないから結婚できない」じゃなくて、「必要な時にちゃんとお金を用意できるよう、計画して少しずつ準備する」という意識が大事なんですね。 -
その通り。
結婚は2人で未来をつくっていくスタート。
以前、アカネさんも結婚することで「むしろ一人で貯金するよりも余裕ができるかも!」と話していたけど、時間を味方につけられることを踏まえても、若いうちに結婚することはメリットも大きいと思うよ! -
確かに!
余裕をもって貯金ができる期間が長くなるかもしれないし、何より2人で計画するための時間もたくさんとれる!
子どもを持つ場合の支援制度
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先ほど教育資金の話があったけれど、福井県は子育て支援が充実していると聞いたこともあります。
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確かにそうだね。
県内の各自治体によっても異なるけれど、子育ての環境が整っていると言われているね。 -
活用できる公的支援でいうと、例えば次のものがあるかな。
出産一時金:50万円
児童手当:月1万円 ※0〜2歳は月1.5万円(18歳まで累計約234万円) -
特に、福井県では子育て家庭への経済的支援が充実していて、
・高校生までの医療費無償
・第2子以降保育料無償
・高校授業実質無償
・県内大学等の授業料支援制度
など、「ゆりかごから巣立ちまで」切れ目なく支援しているよ! -
詳しくは、福井県子育て応援サイト「ふく育」に支援制度が紹介されているからチェックしてみて!
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うんうん、支援制度をきちんと把握して計画的に準備していけば、負担もだいぶ減らせそう!
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高校の授業料も無償化されているね。
あと、結婚するだけでもらえる補助もあるんだ。 -
結婚するだけで補助がもらえるの!?
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そう!婚姻に伴う経済的負担を少なくするために、新婚世帯を対象に家賃や住宅購入などにかかる費用の支援をしているんだ。
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誰でももらえるのかな?
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所得や年齢の制限があるよ。
今回のモデルケースだと、夫婦どちらかが25歳以下で世帯所得が500万円未満だから、最大で100万円の支援が受けられるんだ。
各市町によって支援上限額や要件等が異なるから注意が必要だよ! -
最大100万円は大きい!
これも若いうちに結婚することのメリットの1つだね!
ふたりで築く「経済的な安心」
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アカネさんどうだろう?
少しは結婚に向けて不安は解消できたかな? -
うん!不安だったお金のことも、ちゃんと数字にして考えれば向き合えるんだなって。
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そうそう。
言葉にすると気持ちを整理できるし、数字にすると比較もできる。
大事なのは「今の年収や状況でも、工夫次第で安心して暮らしていける」ということだよ。
無理のない仕組みを作り、二人で未来を描く時間そのものが幸せな結婚生活の一部になるはず! -
大切なのは、「今の自分たちにできること」「家族との時間」を積み重ねること!
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そうだね。
アカネさんも「結婚して良かったね」と思える未来を、ぜひ二人で育んで。 -
頑張ります!
先生、ありがとうございました!
ライフスタイルプラス代表
ファイナンシャルプランナー
福田 智司(ふくだ・ともじ)氏
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 AFP、ファイナンシャルプランニング技能士 2級、証券外務員2種、投資診断士
自動車ディーラーで営業、生命保険会社営業、総合保険代理店営業を経て、現在ライフスタイルプラスとして独立。FPとしての相談業務のほか、各種セミナーの講演、企業型確定拠出年金の導入サポートを中心に行っている。ホームページでは新NISAや相続、投資などお金にまつわる様々な分野の情報をコラムにて発信している。
